内地に帰ってきて一週間後、関東や東北では11月だというのに雪が降り、大阪も凍てついた寒さに見舞われた。ついこのあいだ、まだ夏の暑さの残る西表島にいたとは信じられない。

今回私は、竹富町移住プロジェクトの事業の一環で、西表島を撮影する機会をいただき、11月15日から17日まで島に行ってまいりました。なぜ西表島なのかというと、私が数年前から八重山地方に何度か旅行をしており、その中でも西表が一番好きだったこと、そして昨年2016年6月から12月までの半年間、西表に滞在していたことが理由です。一度内地に帰ってはきましたが、やはり西表島にまた住みたいと思い、移住プロジェクトの方々と話を進めています。今度はもう少し長くいようと思っています。

また私は写真活動をしていて、現在は主に自然や旅行風景を作品として撮影し、ときどき展示などをしております。そんなこともあり、今回このような機会をいただいたわけであります。いつも作品はフィルムで撮っているのですが、今回は山に入る予定があったのでデジタルをメインにしています。フィルムで撮ったものも一部混ぜながらご紹介していきます。

11月15日、石垣空港に到着した私は脇目も降らず離島ターミナル行きのバスに乗り込みました。お腹が空いていたので、沖縄に来たからには730交差点にあるA&Wでハンバーガーでも食べようかと思いましたが、やっぱりターミナルに直行し、すぐの便で西表に渡りました。10ヶ月半ぶりですが、西表島が恋しくて仕方なかったのです。余談ですが関西空港から石垣直行のピーチの便は朝早いため、始発で家を出ても間に合いません。初めて空港で野宿(?)をしました。毛布を借りて空港内のベンチで寝ましたが、関空はなかなか快適です。

さて、西表で泊まったのは、東京から移住して来られた片平さんが運営している、大原地区にあるairbnbです。アパートの部屋を貸し出しているので、住むように泊まれるのですが、実はこのアパート、昨年半年間の西表滞在中に私が住んでいたアパートでもあるのです。といっても最初の一ヶ月間ほどですが。(後半は大富地区に住んでおりました。)というわけでとても懐かしく、たった二日の宿泊でしたが、完全に住んでいるような気分になりました。

到着したその日は同じく移住者の後藤さん(通称:ごっとん)に案内していただき、島をドライブしました。といっても私の前の職場(由布島)に挨拶に行ったり、うなり崎に行くのに二人して迷ったり、あまり撮影という感じではなかったですが。帰りにクラブハウスカフェに寄ってお茶をしました。このお店、昨年私が内地に帰った直後にできたお店で、知り合いの方がやっているので、ずっと行きたかったんです。風通しがよく雰囲気のある店内で、とっても美味しいコーヒーが飲めますよ。

1-1 由布島由布島へ渡る牛車。大潮の日の干潮時

1-2 うなり崎うなり崎から見た夕景

1-3 クラブハウスカフェクラブハウスカフェの外の席

その夜はスーパームーンの翌日でまだ月は大きく、電気を点けなくても容易に歩ける明るさでした。都会では24時間ネオンが光っていてそんなのは当たり前ですが、西表では新月の夜は外は真っ暗で、懐中電灯がないと何も見えません。次の日の朝は、アパートのトタン屋根を歩くカラスの足音で目が覚めました。あまりに大きい音で、一瞬、何が降ってきたのかと慌てましたが、トン、トンと跳ねる音を聞いてすぐ、小ぶりできれいな青味のあるオサハシブトガラスの姿が頭に浮かびます。そんな一日の
始まりが幸せで、やっぱりここが好きだなぁ、としみじみ感じたわけです。

1-4 月スーパームーン翌日の月