どうも!
ごっとんです。

一番バタバタした一週間が過ぎたら、次は一番酷使した一週間(この記事では8日間)です。目標3月末日までに全てのお仕事を終わらせる、という目標の上で動いていました。

忙しいと感じた割には結構覚えているもんです。そんな時にはひり出すものも健康的なものになりますよね。体も動かして代謝も活発ですから。
色とかね。健康健康。
うん?文章の話ですよ?

では、張り切ってどうぞ!

3月18日

この日は取材シートの回収と提出に丸一日費やすことにする。このお仕事は今まで全く知り合いになり得なかった方ともお話できるところが、とても面白いところだ。

例えば、西表島東部の「ペンションなかまがわ」はご夫婦で作った手作りの宿(コンクリートブロック造り!)を経営している。HPを新しく作り直さないか?という問いには、「お客さんが増えすぎてもいけないから大丈夫」とのこと。聞けば、奥さんの西表での最初のお仕事は漁師なんだとか。すごい経歴だ。女性ウミンチュなんて初めて聞いた。そんなお話をフランク喋る奥さんに感心しながら、豊原、大原、大富とぐるぐると回る。

3月19日

「季刊」離島経済新聞が届く。420島の有人島の中で、本土と言われる5島(北海道・本州・四国・九州・沖縄本島)以外に目を向けた新聞だ。島の内部に目が行きがちな生活の中で、外に目を向けることの重要性は果てしなく大きい。経済で困っている離島なら、なおさら。この離島を結ぶ情報網が、島の行く末を決めるんじゃないかと密かに思っている。みんな読めばいいのに。

離島への読み物の普及って、とても意義があると思う。
最近ようやく文章の有効性というか、なぜweb動画や漫画がこれだけ普及していて、テキストが廃れないのかという疑問に自分なりの決着がついたので、たくさん本を読もう!と純粋に思えるようになってきた。

本、読みましょ。活字、読みましょ。なぜなら、費やす時間と、伝わる情報と、複雑さの効率を、一番良い形で保てるのが「文章」だから。

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離島経済新聞。通称リトケイです。

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3月20日

とあるお宿さんで、「wifiの調子が良くない」とのことで、アンケート回収のついでに確認に行く。wifiの設定ミスならリセットしてやり直せばいいのだが、触ってみるとあら不思議。iPadやスマホの設定はできるのに、PCだけが設定できない。OSは最新なのに、機材も新しいのにできない。某家電量販でPC販売していた時のプライドがざっくり傷ついたので、後日また設定しなおすことに。マジで悔しい。

話は飛んで、さらに25日に再度設定。スタート時に特殊なモードになっていることを発見して、それを解除したら繋がった。いろんな記事をしらみつぶしにしたため、記事がどれだったのかを失念してしまったのは残念。
なんのモードだったっけ?判明したら記事に起こしたいと思う。

 

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3月21日

いくつかの店舗さんは写真が足りないため、自分で撮影するしかない。
ちなみに、ちょっと写真の小話。
西表島での写真は普通に撮ればもちろん綺麗なのだが、iPhoneの場合などは、搭載している編集機能で「カラー」や「彩度」の項目を60%ほどあげると、極彩飾のとても見栄えのする写真になる。編集した色はあくまで写真上の色なので、あまり盛りすぎると現実味がなくなってしまうのが難点。SNSで自慢したりする時は役に立ちやすい。
空気が澄んでいる、ということはそれだけで多彩な色を引き出せるものだといつも感心する。関東の空気だと、こうも変化しない。

 

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加工なし。

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iPhoneで「彩度」をマックスに。

 

3月22日

この日はお引っ越しさせて頂く予定のお家の整理。
半日以上かけて、お家の掃除と整理にあたる。
ぼくは一時期このお家の一階、6畳の畳の部屋に引っ越しすることになった。ずっと使われていないお部屋の整理なので、いろんなものがたくさん出てくる。
もともと住んでいらっしゃった方は洋裁を嗜んだ方らしく、古い足踏みミシンや、昔のファッション雑誌がたくさん出てくる。ここにある70年代のファッション雑誌には、必ず洋服の「作り方」が載っていた。

今、その発想がある人ってどれだけいるんだろうか。「ユニクロで十分」もちろん間違いない。
でも、趣味で服を作っている人の洋服も着てみたくなる時がある。着心地なんかも良さそうだ。
今の消費社会に生きてきた自分からすると、それも十分ファンタジックな能力に見える。

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70年代のファッション誌。

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裁断方法から載ってます。

3月23日

この日、由布島の直ぐ近く、三原にある「猪狩家(かまいとぅやー)」にて、手作り黒糖の体験をする。
サトウキビの状態から黒糖が出来上がるまでの工程を全て見させていただいた。これに関してはきちんと別の記事でまとめようと思う。

刈り取ってきたキビを圧搾機(あっさくき)で果汁(キビ汁?)を絞り出し、超高温で熱しながらアクを取って、さらに別室にて徐々に温度を下げつつ、混ぜながら液体を濃縮させていく。そうして出来上がった黒糖は「えぐみ」がなく、食感がサクサクしている。工場では基本的に温度調整が手作業よりも細くできないので、味にもちゃんと変化が出る。

試食をさせていただいた時に、「キビ刈りって、これを作るためにやっているんだなぁ」と歯車ががっちり噛み合った気がした。ダイレクトに美味しいもののために頑張るのと、「何トン」という数字を作るために頑張るのでは、動く側の効率や考え方が大きく変わる。

「お金が稼げるから」より、「美味しいものが食べられるから」の方が、人間は力を発揮しやすい性質があると思う。もちろん全員じゃないと思うけど、少なくともぼくはそうだ。
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圧搾機でキビを搾る。

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搾った果汁を焚く。

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さらに煮詰める。
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型に入れます。

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等間隔に切る。

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出来上がり!

3月24日

この日もキビ刈りに出る。一反(約100㎡)のキビを刈り切ると、景色は壮観だ。風が通って心地よい。
きつい仕事だけど、達成感がある。
全て刈りきった景色には費やしてきた労力や耐え切った気持ちがこもって、なおさら良いものに見える。でも、この達成感だけで続けられる仕事とは、到底思えない。なにせ、高校陸上を経験している身で、山へ猪担ぎにも出ていたのに、キビ刈りはそれ以上の仕事だったからだ。

先にも書いたが、初めの数回や、間を空けてしまった後などは脱水症状で吐いた。逃げ出す人の気持ちは、わからないでもない。それを情けないとも思わない。体を壊すくらいなら逃げ出した方がマシだ、というのがぼくの考えだ。そうやって都内のブラック企業から体や心を守ってきた。極論、この労働の水準そのものがおかしいのだ。

機械化、ロボット化、というと農家さんは怒るのだろうか。
いろんな本を読んでいると、今後は人工知能搭載の機械が畑のお世話をするって時代がどんどん近づいているような気がする。そうすれば、人員的に少なくなっている現状とも合うと思うんだけどなぁ。近々脱葉機(『かさぎ』の作業がいらなくなる)なんかも導入されるらしいし。

あくまで刈り取り労働に関してはそうなんだけど、もう一つ気になったのは、手刈りにこだわってキビを刈りたいって農家さんの方が、畑一反に対しての収穫量、つまり生産性が高いってこと。とても畑のことをよく見ていて、雑草もほとんどない。畑自体が丁寧。キビも太くて長い。おかげで育つ過程でキビがお互いに絡まる。

すると、斧で倒して引っ張る時に、すごく重たいのだ。ようやく引っ張り出しても今度は、キビ自体が重たいのだ。ダブルヘビーだ。なんなら、ハブにも出くわしてトリプルヘビーな訳だ。

つまるところ、一反あたりの生産性が高い、手刈りにこだわる農家さんの畑へハーベスターを導入してあげて、労働コストを下げてあげるのが一番建設的だってことなんじゃないかしら。

最後に些細なことだけど、新しい人がキビ農家さんを助けてくれるようにするには、工場に持って行ったキビがどんな工程で、どんなお菓子になっていて、どんな味なのかを教えてあげた方がきっといい。ぼくが黒糖作り体験で味わったようなことを経験をさせてあげることが、キビ農家にとって大切なことのように感じる。

どうせなら「黒糖チーズケーキ」とか、振舞ってくれたらめっちゃ頑張るんだけどなぁ。(一度振舞ってくれた方がいらっしゃって、めっちゃ美味しかった。大変に美味しかった。黒糖の香りとチーズの味がもう…。もう一回食べたい。うーん、食べたい。)
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3月25日

この日は前述した通り、wifiの設定不調を解決しにお宿へ訪問したのと、取材シートをまとめて会社へ送る作業、そして、wordpressサイトの作成を進める。
この時点でcloud9から新しいサーバーへの移行が一度失敗。
チェックしてもう一度データを吸い上げ直してトライするも失敗。石垣で勉強した時も散々だった。ここだけは何度やってもすぐにはできない、というやつだ。そうだそうだ。トライアンドエラーを繰り返すしかないんだった。
webの世界じゃ試す回数がものをいう。

「わかった!」という瞬間が来るまで粘るのみ。
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以上!

ちょっと長めの文も入ってしまいました。でも、住んでみると本当にいろんな問題が見えてくるんですよ。いちキビ人夫として、辛すぎる労働の現状をどうにかしたい、という気持ちの表れだと思ってください。頭を使った次の週は体もがっつり使います。そんな繰り返しが続いた週でした!キビ刈り人夫は効率が悪い代わりに、島との親和性は抜群です!

ああ無情 断れないよ キビ刈り人夫

字余り。

つづく!!